黒兎月ですよっと
 
穢翼のユースティア レビュー

2011-07-27 Wed 12:30Σヽ(゚∀゚;)トウコウ
Augustの完全新作が満を持して登場!
これまでと大分毛色は異なるが、そのできはいかに!?




タイトル:穢翼のユースティア
メーカー:August
公式ページ:http://august-soft.com/eustia/index.html

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ジャンル:ファンタジーADV
シナリオ:榊原 拓、内田 ヒロユキ、安西 秀明
原画:べっかんこう

音楽:Active Planets
歌:4曲(Ceui、ЯIRE、Ami Fujisaki)
CG:105枚(差分除く)
BGM:48曲

プレー時間:25時間


悲劇は往々にして不条理なものだが、これほど不条理という形容がしっくりくる悲劇もなかった。

その日、この都市の一角が多くの人命と共に大地へと崩落した。
性別、年齢、人間性、地位、経済力……
犠牲者に一切の区別はなく、ただそこにいたという一事だけが、彼らの命を奪った。
なぜ死なねばならなかったのか。
無数の死に何の意味があったのか。
答えはなく、残された人々に与えられたのは、輪郭のない茫洋たる喪失感だけだった。
後に《大崩落》と呼ばれる悲劇だ。

あれからずっと、この都市には不条理の雨が降り烟っている。
上層から下層へと、都市を濡らした水は低きに流れ、やがて牢獄へと聚まり澱む。
嵩を増す汚水を取り除く術もないまま、囚人たちはただ喘ぐ。

いつの日か、この都市に日が差す時が来るのだろうか。


公式ページStoryより引用



シナリオ


作風を変えてもブレないAugust!さらに一歩前へ!


って感じでしょうか。

自分、そして周りの知人とは結構一致した意見なのですが、
Augustはトリッキーor驚愕な展開はないが、
設定された世界観やキャラ設定で予想されうる高クオリティなものを出してくる!
って印象なんです。

ポイントとしては、いい意味で予想を裏切る神作的なものは出ないが、
要所要所はしかっり抑えて外れがなく、結果的には歴史に名を残すってところ。
例えて言うなら90点ぐらいを期待して、しっかり90点ぐらいをだすという感じ。
なんというか優等生って感じ?


また、個人的にプレー前に気になっていたことは大きく以下の2点。

①今まで学園ものなど明るくポップな感じな作品ばかりだしてきたAugustが
今作のようなダークな雰囲気を漂わせる作品でどのような展開を見せるか

②浮遊する最後の都市、羽つき、聖女に王女など話の展開が大きくなりそうだが、
キャラごとのストーリーがどう展開、収束するのか



プレーした感想としては、どちらも妥当だがいい表現or展開でした。

娼婦、不蝕金鎖、牢獄での人々の生活や考え方、暴力的な要素や現状に絶望しつつも生きようとする様などをしっかり描写しつつも、表現的には必要以上に暗くならないように話を持っていってます。

ビジュアル的ではなく言葉で表現したり、主人公周りは牢獄では恵まれている部類である点、
本当に暴力的な点はサラっと流したり、キャラの前向きさやジョークっぽい要素でフォローしたりといった感じ。


また、ストーリー全体の流れとしては大きく5つの話(キャラエピソード)にわかれていて、
それぞれの話の終わりにそのキャラとエンドを迎えるかどうかを選択するっという形式をとってます。

結果的にストーリーが進むごとに都市の秘密に徐々に迫りつつ、話の中心となる場所もヒロインも変わっていきます。おかげで身分が多種多様でからみずらいヒロインたちともうまく絡み、肝心の話もしっかり進行していると思います。

話のラストについては、良くも悪くも収まる感じに収まったという感じでしょうか。
詳しくは触れませんが、王道的な収まり方かな~と思います。

ただ、一つ一つの話はうまく切り分けられ、いい話の展開を見せているのですが、
もっと複雑に絡ませながら進めればもっといい展開を狙えたんじゃない?
っとか思わなくもない。まぁ、それをどうするのか具体的考えがあるわけじゃないですが。


以上と各ヒロインのストーリー上の存在や扱いも合わせ、
August作品というスタンスや印象には大きな変化は見られないですが、
作風をガラっと変えてきた点、今まで以上にストーリーに比重が置かれている点を考慮すると
また王道的な成長を一歩なしとげた!!って印象です。


……なんか、シナリオ感想というよりAugustへの感想になってますが、まぁいいかw



キャラ


かわいさ+α!!


ヒロイン勢がかわいいのは毎度のことながら当然ですが、
今回は話の方向性として何かしらの信念、もしくはそれに準ずる何かを持っているor
ストーリーを通してそれを身につけていくという流れが多い。

個人的にはこういった自分の考えとかをガッチリ持っているキャラが好きなので、
従来のAugust作品よりも好きなキャラが多いです!

もっとも、信念と言うにはちょっと語弊があったりするかもしれませんが、
そこらへんも交えてメインヒロインズと自分のお気に入りのキャラ何人かについて
ちょっと詳しく感想書いてみましょう!


ティア

言うまでもなく今作メイン中のメイン!
ポイントはエリスが作中で言っている通り小動物系!ってところですね。
カイムやエリスにぞんざいに扱われつつも、めげずに懐いてくる様は心を和ませてくれます。

下級の召使として働かされたのちの牢獄に売られ、
終いには羽化病に冒されると運命的に不幸なのもさることながら、
本人の性格もあって不幸街道まっしぐら。

しかし、どんな不幸に落ちようと、どれだけ自分が損をしようと、
牢獄で生きていくには現実的でないと言われ、そして本人も自覚しているのにも関わらず、
変わらず曲げず優しさを貫く様にはグッとくるものがあります。

物語のキーキャラクターと言っていい彼女ですが、
彼女のエピソード入ってからの壮大な話よりも
牢獄の日常で見せる心の強さ、そしてなによりも小動物属性が見せ場ですな!



エリス

自称主人公の物。主人公の怪我の治療には並々ならぬ情熱を燃やし、
新しい居候のティアはもちろん主人公に近づく虫には遠慮なく威嚇したりと、
主人公に懸ける情熱は自他共に認めるほど。
しかし、その振る舞いに嫌らしさは感じず、狂ったように主人公ラブな姿は微笑ましい。

彼女のルートでは主人公への思いが歪んで発露!ってところでしょう。
主人公との思いのすれ違いに色々と歪んでいき、手段を問わず行動しだしてしまいます。

個人的には体験版プレーまでは一番のお気に入りだったのですが、
ルートでの印象が悪くお気に入り度はダウン。なんつーか、ただのヤンデレっぽくて……

ただ、ティアやメルトに主人公をとられまいとする姿、
都市の崩落が近づいたときの彼女の行動とか、ルート以外での印象が良い!
そして何より一番えっちいですw



イレーネ

ヒロインズの中では一番株が上昇した聖女様!
当初は聖女ということもあって教会の考えにコテコテに染まってるんだろとか、
天使様発言など主人公とのやり取りを含め現実が見えてない子なんだろうと
思っていたギャップにやられました。

思い込んだらまっすぐで多少頭が固いのは間違いないですが、現実をよく見、
虚言に惑わされることなく、自身で考え本質を見抜いた答えをズバッと出す頭のいい子です。
これらはある意味他の誰よりも深いを絶望を味わったゆえかもしれません。

主人公との牢獄や教会の教え等を含め、自身の、そして主人公の信仰に関する話には
正直めっちゃ魅了されるところがありました。

頭の良さ、自身の信仰に対する強さをもちつつも
不器用にしか振舞えないゆえの周囲とのすれ違い、
それでも信ずるもののため立ち振る舞う姿が注目どこ。
後、何気に負けず嫌い&シニカルな物言いな点をお忘れなく。



リシア

ロリっ子ひゃっほい!金髪ツインテひゃっほい!!
そんなわけで今作のロリっ子分担当です。

まぁ、そんな見た目的なことを置いとくとして、
ストーリー的な売りとしては王女としての成長ってところです!
何だかんだで自分の考えを持っているキャラが多い中、
そう育てられているとは言え彼女の無知さ、意思の弱さは際立つものがあります。

しかし、裏を返せばその分のびしろがあるといいますか、
王女としての立場を自覚し、牢獄を見、周囲の人々からの思いを受け止め、
立ち振る舞うようになっていく姿は必見ですね。

王女とい人々の上に立つ立場ということもあり、
彼女のルートに入り物語が大きくなっていくほど彼女の味が出てきます。
ただ、他のヒロイン達との絡みも少なく、そういった面での魅力が出せないのは残念ですね。



フィオネ

羽狩り隊長さんという立場もあり牢獄から上層まで幅広く出番があるフィオネ。
生まれが下層、性格が生真面目系ということもあり、当初は理想主義的な面が目立ちます。物語序盤の彼女の立ち振る舞いを見てもらえればそれはすぐに納得が行くと思います。

しかし、羽狩りという立場上牢獄とは密な関わりがあり、
上っ面だけでなく牢獄の住人達と関係ができていく中、
そして何より黒羽を追っていく中で彼女にも色々なものが見えてきます。
それは牢獄の人に対する理解だったり、理想と現実のギャップだったりetc…

そんなわけで他のキャラとの関わりも多く、様々な人や考え、
そして機会に触れる彼女がどう自分の道を進んでいくかがポイント。
他のキャラと比べると全体的には割とスタンダードですが、
良くも悪くもそんな立ち位置の彼女は結構いいです。



ルキウス

女性キャラの良さもさることながら熱い男キャラが多いのが今作の特徴の一つ。
そん中でも個人的にはルキウスをもうプッシュ!

見た目好青年、立場は貴族、さらに仕事もできるといかにも物語にガッツリ関わってくる、
ってかきっと最後は……系なオーラを出しているルキウスさん。
そんな彼の実態は!っという流れを見せ、リシアルート以降物語を盛り上げてくれます。

ちょっと言い方は微妙になるかも知れませんが、徹頭徹尾Do My Bestなキャラ。
他のキャラ達と比べても際立つほど強い意思を見せ、
どんな状況であって”最良”と思う選択をひたすら選び、
まったくブレを見せない姿には感銘を受けます。

彼が貴族として、ルキウスとして積み重ねてきた姿だったり、
リシアを担ぎ出しての政変、そして遂には都市の崩落を前に進む道、見せる姿だったりです。
後は主人公との関係やら彼に対する思い、そしてシスティナとの関係にはグッときます。



システィナ

ルキウスとの関係が全て!

王女、聖女、特別な羽つき等、並々ならぬ女性キャラが居並び、
正直なところかわいさやら美しさでも他のキャラに劣る彼女ですが、
それでも他のキャラを凌駕する魅力を持っています。

それが最初に書いたルキウスとの関係!ルキウスあってこそ魅力的なシスティナです。
彼の片腕としてつくし、思いを寄せる様はある意味エリスに近しいところはありますが、
ルキウスとシスティナはお互いというものを表面上も本質的にも深く理解していると
いう点で大きく異なります。

ヒロインというわけでもないの出番はかなり少なく、見せ場も少ない彼女ですが、
その数少ない刹那で見せるルキウスに対する思いにはググッときました。
最後とかは特に胸を打たれましたね。




CG&立ち絵


素晴らしいクオリティ!!


体験版のレビューのときも書きましたがこの点に関しては本当に不安要素がなし。
特に塗りに関しては数多ある企業の中でもトップクラスの綺麗さだと疑いません。

今作に関しては作風のダークな雰囲気とべっかんこう氏の絵があるのかな~
という不安は多少ありましたが、やってしまえば全然気になりませんね!

そんなわけで絵に関してはCG、立ち絵ともにグッド!です。

ただ、個人的感想としてはもっとヒロイン意外のCGがほしかったかな~
男キャラはもちろんのこと他のヒロインでないキャラのCGがあまりにも少ないのは残念。
あと、何気に枚数はちょっと少ないかもしれない。



音楽&映像

作風にあった綺麗な音楽!ってところでしょうか。
作風がちょっと暗めな話なので綺麗な音楽というとあってるのか?
っと思わなくもないですが、綺麗だからこそ合っているという感じです!

全体的に独特曲調なBGMが多いようなゲームが多い気がしますが、
それゆえどれもかしこもかなり印象深く、またグッとくるものがひっじょ~に多いです!
夏のコミケではサントラもでるって話ですので、自分は買おうと思うぐらいです。

また、ボーカル曲のほうも味があるいい曲ですよ。
特にオープニング曲のAsphodelusはせつなかっこいいというかそんな感じの曲で
かなりお勧め!
こちらはOPムービーとあわせて聞くことができるので公式さいと等からDLして
ぜひ見て聞いてみてください。

ムービーのほうもユースティアの世界観がよく出ていますのでお勧め!
初めて見た時がそうでしたが、かなり作品を期待できるクオリティだと思います。



その他

その他としては立ち絵をBUSTUPという形でCG鑑賞から見れますし、
BGのほうも拝見可能なのは地味にグッド!

後はAPPENDIXとして小エピソード(Hシーン含む)があったりもしますよっと。

そして何気にHシーンが多い。そしてエロイ!



まとめ


作風を変えてもブレないAugust!さらに一歩前へ!


シナリオの最初にも書いた通りのまとめです。
安定性の高いシナリオ、綺麗でクオリティの高いCG、味のある音楽と
さすがのAugustクオリティといったところですね。

また、今までと異なる作風にチャレンジした点はポイント高いです。
ただ、あまりにも期待が高すぎたので、そこまでは届かなかったかな~と思ったりも……

しかし、高クオリティなのは間違いないので是非プレーすることをお勧めです!

穢翼のユースティア 初回版穢翼のユースティア 初回版
(2011/04/28)
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