2018-03-25 Sun 20:34Σヽ(゚∀゚;)トウコウ
ひさびさ……というか8年ぶりにおとぼくシリーズが出たのでプレイしましたよっと!
なんだかんだで1、2もプレイしているので、そこらへんちょいちょい交えつつ感想書いていきます。 概要 タイトル:処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星 メーカー:キャラメルBOX 公式ページ:http://www.caramel-box.com/products/otoboku3/ ![]() ジャンル:女装潜入ロマンティックラブコメディ シナリオ:嵩夜あや、assault、田中一郎、他 原画:のり太 音楽:ZIZZ STUDIO 歌:3曲 Above The Rainbow (YURIA) 笑顔で歩き出そう (榊原ゆい) 星影灯 (榊原ゆい) CG:83枚(差分除く) BGM:59曲 Hシーン:14シーン プレイ時間:29時間 「この学院に在籍する、僕の『娘』を護って欲しい」 世界を股にかけた企業グループである尽星コーポレーション。 その創業者一族の娘として生まれた 風早織姫――その身辺を密かに護衛する。 それが、主人公・結城密に言い渡された職務だった。 密は、孤児となった際に現当主、風早幸敬によって保護された子ども。 その腹心である結城大輔に、養子として育てられた。 いつか織姫のために、陰に陽向に働く――そのための存在として。 だから、覚悟は出来ていた。ただ問題は、これから向かう聖セラール女学院は 男子禁制のお嬢さま学校だということで……。 ――しかし、密は知らなかった。 それが、自分の人生を変えていくほど大きな転機になるのだということを… 公式ページストーリーより引用 シナリオ 人間模様の変化がじわじわっと良い ちょっと分かりづらい一言だけど、端的に感想いうならこれかなーっと思う一言。 その前におとぼくやったことない人向けにもおとぼくシリーズの大筋を話すと、 ①とある事情によりお嬢様学校に編入 ②各メインキャラ達との交流&主人公が高いスペック色々発揮して徐々に認められる存在に ③ポッと出が人気出て嫉妬する人etcとのいざこざ少々 ④バレそうになる出来事色々を正体知っているヒロインのサポートありで乗り越える ⑤エルダー(手本となる最上級生、お姉さま的名誉)に選ばれ、名実共に認められた存在に ⑥エルダーとしての意識から、よりお姉さまらしい立ち振舞が増えみんなから認められる ⑦途中学園内での百合百合しい関係知ったりもするよ ⑧ヒロインに正体ばれてあれやこれや。何かしら一山ある感じ ⑨紆余曲折はあったけどハッピーエンド 今作で3になるわけですが、大筋としては今回もこの流れなのは変わりません。 また、舞台がお嬢様学校ということもあり、外での描写少なめで学校&寮がメインなのも変わらず。 これに伴い、滅茶苦茶な設定とかでのドタバタ劇とかはほぼなく、 人間関係とかの描写をどう見せるのか?ってのが作品のポイントになってくるところも変わりません。 では、各1~3で何が違いや特色を出すのよ?って話になるんですが、 個人的には大きく2点…… 1.主人公のキャラ 2.エルダーの対抗馬(or一緒にエルダーになる人)との関係 ですね。 1についてですが、 普通の学園ものだとほぼ主人公とヒロインとの1対1の関係こそが重要です。 主人公はあくまで1生徒でしかないので、ヒロインとのイチャラブがどう描写されるかが問題ですから。 一方、本作品のようにエルダー……つまり学園の”代表”となる存在になる主人公の場合は、 その立ち振舞&性格が物語上に大きく影響してしまいます。 だって、他の生徒からの思われ方や慕われ方、それに伴う各種描写に影響出てきますから…… そんなわけで主人公のキャラはかなり重要。 2について、 明記はされていませんが、シリーズナンバーとエルダーに選ばれる人の数は=なのが通例です。 つまり2以降だと主人公以外にもエルダーに選ばれるヒロインがいる。(今回は織姫&美玲衣) そして、当然エルダーという学園の顔とも呼べる存在に選ばれる以上、 他キャラとはやはり描写のされ方、多さ、深さなどが異なってきます。端的に言うと優遇されている。 特に今回は織姫を護衛するという、もろ話の根幹作っているわけですからそりゃー違いますよ。 んで、その2点の特色は今回どう表現されて結果的に良かったor悪かったの?って話ですが…… 個人的には ”組み合わせ”がよく、 今までとはだいぶ気色が違うが結構好きな話! ……というところ。 まず前者の主人公のキャラとしては、状況に対して前向きだが、自己は希薄となっています。 きっかけが仕事で、拾われたという恩義も合わさり尽くすことや場を円滑に進めることに対しての 思いが強い……もとい染み付いているってのがその理由でしょう。 なので、日常では無理することなくもなく自己を抑え、求められる理想的なお姉さまを演じます。 うん、今までのシリーズの中で一番ナチュラルにお姉さましていた気がする。 がしかし、これだけでは”理想過ぎるお姉さま”を見るだけで面白みがありません。 ここでスパイスとなってくるのが2点目で、今回はエルダーが3人いること。 家柄、思想などの違いのため当初から織姫、美玲衣の折り合いはかなり悪く、 また求められる立場や環境から、半ば強制的に学園での立ち振舞を要求されています。 織姫は俗に言うお嬢様……要は根っからの上流階級のテンプレ的な立場、 美玲衣はそれの当て馬……成り上がりや一般生徒達の神輿といったところ。 そう、今までのシリーズと違って、主人公以外の所で物語当初から対立が起こっているんですよ。 しかも、両人とも祭り上げられている面は多少あるとは言え、 心情的には同意している部分も多いので、ガチで険悪な仲からスタートします。 ここは今までのシリーズと比べると大きな違い、そして今作のポイントだと思う。 そして、上記2要素が組み合わさることで、 織姫と美玲衣の仲…… ひいては学園全体の雰囲気を解きほぐしていく役割を主人公が担うことになります。 まぁ、根本では織姫の父親の一言&企みがきっかけではあるんですが、 それを引き金として場を回していったのは主人公ですからね。 また、ここで話は終わらず、2人の関係性の変化、 および織姫や美玲衣個々の考え方の変化等が今度は主人公の考え方等に影響を与え始めます。 情けは人の為ならずといいますか、フィードバックされているというかそんな感じで、 このじわじわと人として成長していってるなー感がよいです。 ここらへんのシナリオ展開だけでもわりと好みなんですが、 更に主人公の正体がバレたタイミングで織姫の父&養父がいい感じに真実投下したり、 当初の織姫と美玲衣の不仲に巻き込まれる形で関わりだした末莉が与える影響とか、 回り回ってお互いを良い方に導いていく人間関係の変化が非常に好みでした。 後は単純に個々人の成長が見ていて微笑ましいというか、なんか青春っぽいのもGood。 とまぁ、個人的にはシリーズの中でも一番好きだったんですが、 相変わらず個々のルートの意義については微妙だったり(ぶっちゃけ1ルートでまとめた方がいい)、 作品設定的にイチャラブ要素は大分低めで、エロゲとしては微妙なんだろなーと思わなくもない。 後、今作は登場キャラ間、および各人の人間性が徐々に変化するのが良い点だと思うので、 作中期間を考えると個々のイベントごとの密度というか描写は広く薄くになっていると思う。 塵が積もってよくなるという感じなので。 以上、結構シナリオ感想長くなったけどこんな感じかな~ まとめると大筋はシリーズの王道と同じだけど、 シナリオの主軸は今までのおとぼくからはちょいと違う方向に変化。 人を選ぶシナリオだけど個人的には大分好みってところでした。 キャラクター おとぼくの恒例の如くサブまで含めると攻略可能キャラは多め。 とは言え、サブはサブって感じの内容なので、メイン3キャラに絞って感想書いていきます。 今回はシナリオ面の感想とオーバーラップするところ多いですが、ご容赦ください。 結城 密自己の獲得描写が良い 個人的には主要キャラ3人の描写の対比が良いと思っている今作、 その中で密は自分の出自など含め、 真実を知り受け入れることで”自分を得る”という変化を遂げたキャラ。 当初は優雅な立ち振舞で理想的なお姉さまとして輝かしい印象を与えますが、 実態としては自己というものが希薄故に、著しく環境に合わせるのが上手いというもの。 そんな彼が、織姫や美玲衣との交流を含め徐々に自己…… 俗に言ってしまえば欲というものが出てきて、 密という一個人として立ち振る舞うようになっていくのが良い。 後は生い立ち故に本質というか人のことをよく見ているなーという感じが強く、 割りと的確に他の人を理解していたり、助言などがスマートなのは好印象だったかな? まぁ、女学院という環境故に当初の戸惑いの大きさや、確信のなさ故に揺れることも多いですが…… 感情的にはやや未熟でも、無意識的には的確に正解選べるすげー子だなと。 後は男だってことを踏まえてみると中々に紳士度たけーと思いますよ。この子。 風早 織姫感情の発露が映える 主要3キャラでは”本当の自分”を抑えないという変化をしたキャラ。 いい意味でワガママを覚えたという感じ。 当初はTheお嬢様という立ち振舞が多く、俗に言う高嶺の花状態。 なんとうか人柄&能力的には申し分ないのに人間味というのがやや希薄だったのですが、 父親の一言&密の後押しを受け、いい意味で吹っ切れてハツラツと行動するようになります。 失敗しない、求められる姿をただ演じる、良い子でいるという束縛から解き放たれる感じ。 これにより作中では親しみや距離感というものがグッと縮まるし、 素のお茶目で好奇心旺盛な性格が非常に映え、人としての魅力がかなり上がります。 とは言え、元のお嬢様であることにはかわらないので、 時折見せる世俗に疎いところで見せる初々しさというかギャップとかがまたかわゆい点になるかと。 後はこの彼女の変化をきっかけとして、この行動力&素直な振る舞いが密に与えていく影響、 美玲衣との関係が軟化していくところも大変魅力です。 特に後者の美玲衣とは当初あれだけギスギスしてたのに、 お互いの思想や立場を理解し、密への評価や思いの一致など、 色々なことを相互理解していくことで、親友とも呼べるような関係になっていくのが大変良かったです。 正樹 美玲衣内面変化が一番良い 主要3キャラ内での”成長”担当と言ったところ。 彼女は当初から自己の思いや思想には素直で、 気に入らない織姫には真っ向から嫌悪感を顕にしていたし、それを公言してはばからない性格です。 がしかし、これらは自己の環境……親との環境などを含めてのコンプレックスの現れであり、 また彼女自信の精神的未熟者も合わさっての立ち振舞でした。 女学院という閉鎖されがちな環境故にこれを壊し気づかせる存在がなかったのですが、 密というイレギュラーな存在の登場、織姫自身の変化、 そして3人がエルダーに選ばれた事等を通して色々な事に気づいていきます。 彼女の魅力は何と言ってもその緩やかな成長と言えるでしょう。 織姫は父親の一言等で劇的な変化が一気におきますが、 美玲衣自身は”鈴蘭の宮 ”になったという立場の変化、変わった織姫の影響、 末理を筆頭として交友関係から様々な刺激を受けることで徐々に徐々に変わっていきます。 織姫の立場など相手への理解を深め、 嘗ての自身の未熟さを認めることで成長していく様は非常に好感が持てますね。 また、彼女自身がその成長具合を実感している様もGoodです。 後はルートではより大胆な面も見せるようになるし、 当初はあんなに嫌っていた織姫にかなり接近し、 自己の弱ささえ見せていくようになるのでかなり見どころがあるかと。 そんなわけで本作でいっちゃん好きなヒロインでした。 後、クールぶっている小鳥居さんボイスが大変( ´∀`)bグッ! CG&立ち絵 原画はのり太 さん。 独特のタッチなので一発で分かるでしょうし、 シリーズ恒例ですので最早語るまでもありませんね。 んで、基本的な印象的にはおとぼく2のころからほぼ変わらずってところです。 全体的に描き方……表情と体全体の動きとかが固い気がするし、 艶があるよりは綺麗系の書き方です。 後、エロい系のCGは微妙だけど、優雅な感じがする制服周りとか学校での日常系はボチボチ。 そういや表情変化は以前よりよくなった気がする。たぶん。 後は何だかんだ、やっぱおとぼくはこのタッチがいいんよなーという不思議な味わいがある。 枚数的にはまぁ一般的な範疇で、HCGと通常CGとの比率はざっくり半々ぐらいだったかな? 音楽&映像 音楽面はクッソ充実! ですね使用BGM約60曲は充実のボリューム具合です。 ちなみにちゃんとチェックしていないので、過去作からの流用があるのかは不明。 有名どこのアレンジ系はあった気がしますがね。 んで、つくっているところはZIZZ STUDIOさん。 まぁ、今までの経験ふつーに良い音楽つくってくるところの印象ですし、 今作もそこらへんは期待を裏切らずといったところですね。 曲調は作品が作品だけに全体的お上品というか優雅な感じがするものが多め。 日常のポップ系なシーンで使われる系も、こちらに寄せようという感触を感じましたし。 個人的には全編通して好みの感じでよかったです。 後はYURIAさんのOP、ゆいにゃんのED&挿入歌と 個人的にはボーカル曲もかなり好みどころだったんでマジで音楽系は良かったですね! その他 謎のミニゲームあり! 本編とは欠片も関係ないんですが、クリア後におまけのスタッフルームからミニゲームができます。 ジャンル的には何と言ったらいいのかよくわからないのですが、 サイコロ使った脱出ゲーって感じですかね? めっちゃ面白いというわけではないですが、サクッと1周遊ぼうと思えるぐらいには遊べます。 とは言え、追加シナリオとかそっち系のゲームではないので、 このミニゲームは気が向けばプレイ!ってぐらいで良いかと思います。 まとめ 今までのおとぼくとちょい気色は異なるが良い って感じですかね~ 個人的には今までのおとぼくの中で一番好きでしたし、 ガチオススメ!……とまではいかないものの、良ゲーの部類に入るのは十分な作品だと思います。 |